抄録
74歳,女性の播種状表在性光線汗孔角化症の1例を報告した.40歳頃より露出部に環状茶褐色皮疹が出現し,徐々に増加した.辺縁は軽度に隆起し,環内に毛孔一致性褐色丘疹が散在する.組織学的に環に一致して表皮に,また,環内の汗孔,毛包にcornoid lamellaの形成を認める.環内の真皮上層にはアミロイドの沈着があり,特にcornoid lamellaの周囲に著明である.DACM染色および電顕的観察により表皮living layerに異常角化細胞を認める.角化異常が表皮内を遠心性に伝播され汗孔,毛包部に残存し,その伝播の過程で異常角化細胞に由来するアミロイドが真皮に沈着したものと考えられる.機序は不明であるが汗孔,毛包部にそのアミロイドが残存し,正常化した表皮の直下のアミロイドは次第に消失すると考えられる.