抄録
腸管は皮膚,気道と並んで生体が最初に抗原物質と接触する重要な臓器の一つであり,近年,皮膚科領域でも皮膚疾患と腸管免疫との関連性が報告されている.我々はCBAマウスに接触皮膚炎をひきおこすpicryl chloride(PCl)を経口的に投与し,免疫応答へ及ぼす影響を検討した.PCl5mgをマウス腹壁へ塗布すると接触皮膚炎を感作できるが,経口的に同量を投与した場合,むしろ抗原特異的な反応の抑制が誘導された.PCl経口投与後3日目のマウスでバイエル板と腸間膜リンパ節にTs-affが観察されたが,Ts-effはバイエル板,腸間膜リンパ節,脾のいずれにも認められなかった.PClの接触皮膚炎感作が成立したマウスへ経口的にPCl5mgを投与したところ,接触皮膚炎の大きさは増強された.CBAマウスをサイクロフォスファマイドで前処理した場合,経口的にPClを投与しても感作が成立した.