抄録
比較的稀な遺伝性の角化異常症である.progressive erythrokeratodermiaについて電顕的・生化学的検討を行った.組織学的に核の遺残を伴う角質肥厚と顆粒層の肥厚があり,電顕的には層板顆粒の増加,toransitional cellの層状の介在が特徴的であった.Etretinate内服後では,角層・顆粒層の肥厚は見られず,toransitional cellは少なく,層板顆粒はよりいっそう増加していた.角層ケラチンの電気泳動では,正常人と比較してバンドの相対的な濃度に一部差が見られたが異常なバンドの出現や欠損は認められなかった.また,乾癬において認められているような皮疹部・無疹部間のepinephrineによる表皮のcyclic AMPの上昇作用の差は見られなかった.