日本皮膚科学会雑誌
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ポルフィリン症の酵素額的検討 第2報:Griseofulvin induced protoporphyriaマウスの肝δ-aminolevulinic acid dehydrase活性
村山 史男
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1987 年 97 巻 8 号 p. 899-

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抄録

0.5%Griseofulvin(GF)含有飼料で飼育し,protoporphyriaを誘導したマウスの肝体重比,肝protoporphyrin(PP)含量,肝δ-aminolevulinic acid dehydrase(ALA-D)活性をGFの投与期間別に測定した.1)肝体重比は3週で約2倍,8週で約3倍に増加し,以後はplateauになった.2)肝PP含量は1週で約250倍に増加し,5週まで直線的に増加を続け,以後は増加の程度は徐々に小さくなった.3)肝ALA-D活性は3週までは約40%上昇したが,それ以降は徐々に低下し,8週以降では正常群よりむしろ低下する傾向がみられた.しかし,個々の実験動物の肝重量を加味して肝全体のALA-D活性を算出すると,3週まではほぼ直線的に増加し,以後はplateauになり,肝体重比,肝PP含量とほぼ同様の変化がみられた.以上のことから,GF induced protoporphyriaマウスの肝ALA-D活性は長期投与においても上昇しているとかんがえられた.

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© 1987 日本皮膚科学会
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