抄録
Anthracene(AN)および8-MOPはUVA領域に作用波長をもつ光毒性物質である.これらの物質が補体系に影響を及ぼすか否かを比較検討した.実験は,8-MOPまたはAN溶液をモルモット血清に添加後UVAを照射し,前後の補体溶血活性を測定する系で行った.その結果,ANはUVA照射エネルギー量および濃度に依存した補体溶血活性低下をきたすことが明らかとなった.一方,8-MOPには,UVA照射エネルギー量に依存した補体溶血活性低下は認められなかった.しかし,添加濃度が増すにしたがい補体溶血活性の軽度の低下がみられた.このANとUVAによる補体溶血活性低下のメカニズムは,ポルフィリン体による補体の光活性化現象に類似していた.一方,8-MOPはこれらの光毒物質とは異なった態度を示していた.このように,光線による補体活性の変化の有無を比較検討することは,光毒反応物質の分類や,光毒作用の解明にきわめて重要であると考えられた.