日本皮膚科学会雑誌
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全身性強皮症患者における振動及び冷水負荷のMicrovibration testに対する影響
前田 学市來 善郎森 俊二洞井 俊夫
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1988 年 98 巻 1 号 p. 9-

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抄録

我々はこれまでに,①振動,②寒冷,および,③精神的緊張を伴う手作業が,PSSの発症や悪化に密接に関連していることを報告してきたが,今回,振動及び寒冷負荷がPSS患者に及ぼす影響を調べる目的で,健常人を対照として,人体固有の微細振動,すなわちmicrovibrationを測定した.その結果,20例のPSS患者群では,波形の不規則な場合が多く,11例(55%)が左右両側性にみられた.2分間のバイブレーターを用いた両手の振動負荷や氷水(0~2℃)での1分~1分半の両手冷水負荷後,波形の振幅は10例の健常人を用いた対照群に比べ,目立って高く,かつ,より不規則となり,回復に要する時間も長い傾向にあったことより,振動及び寒冷はPSS患者に強い影響を与えていると考えられた.また,このmicrovibration testは両者の鑑別にも有用と考えられた.

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© 1988 日本皮膚科学会
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