日本皮膚科学会雑誌
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Myelodysplastic syndrome(MDS)に伴うSweet病様病態の3例
飯島 茂子大久保 千真季星野 稔佐久間 満里子馬場 徹上野 賢一
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1988 年 98 巻 14 号 p. 1483-

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抄録

MDSにSweet病様病態を示した3例を報告した.症例1:74歳男.refractory anemia.血液学的異常に1年11ヵ月先行して,四肢・顔面に圧痛(±)の浮腫性紅斑が出没.組織学的に真皮全層の血管周囲性リンパ球浸潤で,好中球・核破片も混在.症例2:57歳男.refractory anemia with excess of blasts(RAEB).血液学的異常出現2ヵ月後より,顔面・前腕・背部に圧痛のない浮腫性浸潤性紅斑出没.膿疱(+).自然消褪(+).組織学的に好中球と核破片を主としリンパ球も混ずる管周囲性細胞浸潤.症例3:49歳男.RAEB in T.血液学的異常とほぼ一致して,下肢から全身に広がる浸潤性紅斑出現.膿疱(+).組織学上,皮下脂肪織に好中球の稠密な浸潤.前白血病状態であるMDSの自験3例にみられた発疹はSweet病に類似する.MDSでは血球の形態異常とともに,さまざまな機能異常を伴うため,若干修飾されたSweet病様病態が出現する可能性があると思われた.

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© 1988 日本皮膚科学会
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