デサントスポーツ科学
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研究論文
ウォーキング・ジョギング時の自律神経反応に及ぼす着用ウェアの影響
小柴 朋子斎藤 嘉代
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2011 年 32 巻 p. 128-137

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抄録

健康維持のためのウォーキング用ウェアに求められる条件を明らかにするため,基礎実験として,女子大学生を対象に,静止姿勢から運動に移行する時の自律神経反応の変化を,心拍変動解析と唾液中のα-アミラーゼ活性を用いて調べた.第一に10名の成人女子を対象に,25℃の実験室で30分安静後,臥位,座位,立位をそれぞれ5分ずつ保ち,歩行と3km/hと5km/hの走行を負荷した場合と,運動強度が歩行と同等のその場足踏みと階段昇降についても調べた.さらに,5名の成人女子を対象に異なるウェア着用時の歩行時の人体負荷について調べた.ショートパンツ,スパッツ,ジャージ,ジーパンの着用,さらにゆとりの異なるスポーツウェアについて,心拍変動解析と唾液中のα-アミラーゼ活性を調べた.歩行が及ぼす効果,衣服のゆとりあるいは圧迫が及ぼすストレスを評価した.その結果,臥位と座位に比べ立位は特に交感神経活動が高値を示し,ゆるやかな歩行を開始すると副交感神経活動が亢進する傾向にあった.しかし足踏み運動では逆に交感神経活動が亢進した.唾液中のα-アミラーゼ活性は走行後上昇したが,歩行後では低下した.歩行中,ジーパン着用は高い交感神経活動を示し,ジャージはスパッツ,ショートパンツより低かった.プラスゆとりのルーズなウェアはマイナスゆとりのタイトなウェアより交感神経活動が上昇し,唾液中のアミラーゼ活性が高くなった.日常と異なるゆとりのウェアを着用してウォーキングを行うことはストレスを高めると考えられた.

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