2011 年 32 巻 p. 98-109
本研究は,地域在住の高齢男女19人(平均年齢71歳,男8人,女11人)を対象にノルディックウォーキングを3日/週,60分/日(主運動30分?40分),軽から中等度で12週間に亘って運動指導を試み,機能的体力,柔軟性およびバランス能を指標として同時期に実施したウォーキング群(比較対照,平均年齢68歳,男7人,女8人)との成績の比較から,ノルディックウォーキングの運動効果を調べた.その結果,両群ともに機能的体力(筋力,柔軟性,敏捷性,バランスと全身持久性)は運動後に改善していた.しかし,ノルディックウォーキングの上肢・下肢の筋力と下肢の柔軟性の改善率はウォーキングよりも高かった.動的バランスの改善は明らかでなかったが,総合的にみれば高齢者における至適な複合運動の一つとして推奨できるものと思われた.歩行速度や運動時間あるいは運動量およびポールを持った上肢の使い方によって運動への生理的影響が異なることも考えられ,さらなる介入研究の継続と実践が必要とされる.