デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
有酸素運動がもつ小学生の「認知能力向上効果」の脳科学的検証
土居 裕和
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2011 年 32 巻 p. 110-117

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抄録

成人とくに高齢者を対象とした研究により,有酸素運動の励行が脳高次機能の向上に効果があることが明らかになりつつある.しかし,有酸素運動能力により,小学生の認知能力(社会的認知能力,自己統制能力)が向上するか否かは明らかではない.そこで,本研究では,定期的に運動プログラムに参加する小学生(運動群)と,参加していない小学生(非運動群)の表情認知能力を比較した.さらに,運動群の小学生を対象として自己統制能力課題である感情ストループ課題遂行中の脳機能活動と,有酸素運動能力の指標である最大酸素摂取量との関連性を検証した.その結果,表情認知能力には運動群と非運動群との間で差は見られなかったが,感情ストループ課題遂行中に誘発される事象関連電位成分P210の振幅・頂点潜時と最大酸素摂取量との間に正の相関が見出された.この結果は,有酸素運動の励行が,学校適応の基盤となる認知能力に影響を与える可能性を示唆している.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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