2014 年 35 巻 p. 78-86
本研究では,現実的な運用を想定したプログラムが高齢者の筋機能に及ぼす効果を検証した.高齢者288名(65?87歳)を教室型と自宅型の2群に分け,12週間の介入を行った.介入プログラムは自体重・アンクルウエイト・セラバンドを利用したレジスタンストレーニングおよび3軸加速度計の配布による活動量を増やす動機づけとした.教室型は週に一度の運動教室に参加し,他の日は自主的にプログラムを実施した.自宅型は数回のレクチャーのみを受け,自主的にプログラムを継続した.介入の結果,有意な下肢筋量(大腿前部の筋組織厚・下肢筋細胞量)の増加は両群で認められたが,上肢筋細胞量の有意な増加は教室型のみで観察された.膝伸展筋力,最大歩行時間,5回椅子立ち上がり時間といった運動機能や平均歩数は両群で有意に改善した.なお,これらの改善に有意な群間差はなかった.比較的低コストで実施可能な自宅型でもほぼ同様の効果が得られた意義は大きく,今後地域での大規模展開が期待される.