デサントスポーツ科学
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研究論文
足関節底屈筋群の瞬発的な筋力発揮能力向上を目的としたトレーニングが姿勢制御機構に及ぼす影響
小林 雄志
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2015 年 36 巻 p. 153-160

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抄録

本研究では,足関節底屈筋群の瞬発的な筋力発揮能力向上を目的としたトレーニングが,筋力および姿勢制御機構に及ぼす影響について明らかにすること目的とした.健常な高齢者22名をトレーニング群12名,コントロール群10名へと群分けした後,トレーニング群に対して足関節底屈における瞬発的な筋力発揮能力の向上を目的としたトレーニングを4週間,週2回の頻度で実施した.また,トレーニング期間の前後において最大筋力測定,瞬発的筋力測定,姿勢制御能力測定および下腿後面における筋厚の測定を行った.その結果,トレーニング群ではトレーニング期間終了後,下腿後面における筋厚の変化は認められなかったものの最大筋力および瞬発的筋力の向上が認められた.姿勢制御能力については,開眼片脚立位における持続時間が増加するとともに,足圧中心動揺の外周面積および矩形面積が減少した.これらの結果より,同様のトレーニングは最大筋力および瞬発的筋力を向上させるとともに,姿勢制御能力の改善に寄与する可能性があることが示唆された.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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