デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
先天性上肢形成不全・切断児の小学校体育学習指導要領に適した作業用義手の開発と海外義手パーツの評価検討および臨床応用
藤原 清香真野 浩志奈良 篤史野口 智子柴田 晃希
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2017 年 38 巻 p. 35-47

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抄録

本邦においては上肢切断/形成不全小児に義手の処方は殆どされず,義務教育課程の学校体育で授業参加の参加制約となっている現実がある.一方で,欧米の上肢形成不全・切断児はスポーツなど様々な目的に適した義手を使用する事で活動範囲を広げ,社会参加の拡大とQOLの向上につながっている. 今回我々は,北米で市販されているTRS社のShroom Tumbler(米国製)という運動用手先具が本邦での使用に適した耐久性と特性を有するかを検討した.そして小学生が体育で行う跳び箱で使う程度であれば,3年使っても使用に伴う疲労破壊は起きない十分な耐久性を,本手先具が備えていることを明らかにした. さらに運動用の義手を実際に上肢形成不全児に対し製作し評価,検討を行った.児に装着し訓練を行ったところ,長断端の場合は義手の装着により両上肢長差に影響を及ぼし,さらにはソケットの形状や特性が,実際の使用時の荷重時安定性や肘関節の可動域にも関わることがわかった.以上から国内用の運動用手先具の開発の基準や義手製作時の課題についても明らかにした.

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