デサントスポーツ科学
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研究論文
高濃度糖質溶液によるマウスリンスは持久性運動能力を向上させるか?−認知機能および脳活動の観点から−
長谷川 博鬼塚 純玲小川 景子
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2017 年 38 巻 p. 48-54

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抄録

異なる糖質濃度のマウスリンスが持久性運動能力及び脳活動に及ぼす影響を検討することを目的とした.9人の成人男性の運動鍛錬者を対象とし,最大運動強度の55%の負荷の自転車エルゴメータ運動を疲労困憊まで行った.マウスリンスは運動開始後から5分毎に10秒間行い,マウスリンス溶液の糖質(マルトデキストリン)濃度は0%,6%,18%とした.持久性運動能力,生理的指標(直腸温,平均皮膚温,心拍数,脳の組織酸素飽和度),主観的指標(主観的運動強度,口腔内快不快感)を測定した.糖質濃度18%における運動継続時間(70.6 ± 6.3分)は,0%(62.1 ± 5.1分)及び6%(65.9 ± 5.5分)と比較し有意に延長した.生理的指標及び主観的運動強度は運動時に増大したが,条件間で有意な差は観察されなかった.カラーワードストループ課題を用いた認知機能は変化が観察されなかった.高濃度の糖質溶液を用いたマウスリンスは持久性運動能力を向上させ,生理的指標に条件間で差が観察されなかったことから,この運動能力の向上は中枢神経系が関与していることが示唆された.

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