本研究では,靴底が非常に薄い5本指シューズを用いた擬似的な裸足環境が,足趾把持筋力,バランス機能,歩行能力に及ぼす影響について検討することを目的とした.対象は運動習慣を持たない成人男性6名である.先ず5本指シューズを着用しない4週間のコントロール期間を設け,その後の6週間をシューズ介入期間とするデザインとし,2週間毎に各種測定を実施した.コントロール期間には,何れの測定項目にも有意な変化はみられなかったが,シューズ介入後には,足趾把持筋力(p=0.037)および継ぎ足歩行(p=0.033)に有意な改善が認められた.重心動揺軌跡長,ファンクショナルリーチテスト,最大1歩幅,10m歩行時間については,シューズ介入後に有意な変化はみられなかった.以上より,5本指シューズを用いた擬似的な裸足歩行は,足趾把持筋力および動的バランス機能の改善に有効であることが示唆された.