デサントスポーツ科学
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研究論文
自覚的に“汗っかき”な人の実際の発汗機能と熱中症リスクに関する研究
天野 達郎
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2018 年 39 巻 p. 241-248

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抄録

本研究では,自覚的に汗っかきな人とそうではない人の安静温熱負荷時の発汗反応およびそれに対する一酸化窒素合成酵素の寄与を比較した.自覚的汗っかき群8名と自覚的非汗っかき群7名が安静温熱負荷を舌下温が1.0℃上昇するまで行った.前腕部には2本のマイクロダイアリシス用ファイバーを留置し,1本には乳酸リンゲル液を(Control),もう1本にはL-NAME(非選択的一酸化窒素合成酵素阻害薬)を循環させて,その皮膚上の発汗量を計測した.安静温熱負荷時の発汗量は両群ともL-NAME部位でControl部位よりも有意に低下したが,いずれの部位においても両群間の発汗量に差は認められなかった.また,加温40分間における舌下温の上昇程度にも両群間に差は認められなかった.これらの結果は,自覚的に汗っかきな人の発汗反応およびそれに対する一酸化窒素合成酵素の寄与程度は自覚的に汗っかきではない人と差がないことを示している.また,自覚的に汗っかきかどうかは,安静温熱負荷時の舌下温の上昇程度から推察される熱中症リスク指標にも影響しないようである.本研究より主観的な汗っかきの分類方法や加温の方法に関する課題を抽出することができた.

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