デサントスポーツ科学
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Print ISSN : 0285-5739
研究論文
運動制御性骨格筋由来分泌蛋白の心血管病予防における役割
大内 乗有
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2020 年 41 巻 p. 280-286

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抄録

心血管病を含む生活習慣病の予防法の確立は重要課題である.持久性運動を含む運動療法は心血管病の予防と治療に対して有効性が示されているが,その分子機序については十分には明らかにされていない.近年の研究成果によると,骨格筋は「マイオカイン (Myokine)」と総称すべき分泌因子を産生する内分泌臓器としての役割を果たし,マイオカインが近傍あるいは遠隔臓器に影響を与え,心血管病の病態に関わることが明らかになってきた.今回の研究では,持久性運動により制御されるマイオカインを同定し,その心血管病における役割を解析した.マウストレッドミル運動モデルを用いて,骨格筋の発現遺伝子を解析し,分泌因子をスクリーニングした.運動によって発現の増加するマイオカインとしてマイオネクチンを同定した.マイオネクチンは心筋虚血再灌流障害に防御的に作用していた.培養心筋細胞においてマイオネクチンはアポトーシスと炎症反応を抑制した.従って,マイオネクチンは運動誘発性のマイオカインであり,心筋保護的に作用すると示唆された.

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© 2020 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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