2023 年 44 巻 p. 120-127
本研究は,自発的な身体活動が骨格筋に及ぼす影響と情動の関係を検証した.本実験は,Wistar 系ラットを用い,4条件の飼育環境として,自発的な身体活動誘導環境モデル(遊具+ホイール群,ホイールのみ群,遊具のみ群),通常環境モデル)を作成した.30日間の飼育期間中,各個体における身体活動レベルを計測した.飼育期間終了後に,不安様行動,及び,後肢骨格筋の形態変化を検証した.その結果,身体活動レベルは,環境エンリッチメント(遊具+ホイール)条件群が有意に高い値を示した.一方で,ヒラメ筋における骨格筋量は,通常環境条件群と比較して全群において有意な増加を示した.また,不安様行動は,ホイールのみ群,及び遊具のみ群において通常環境群よりも有意な低下を示した.以上のことから,自発的な身体活動による不安様行動の改善は,身体活動レベルに依存するとは限らず,骨格筋の形態が関連している可能性が示唆された.