本研究は運動前の植物性ベース食品と動物性ベース食品の摂取が動脈スティフネスと有酸素性運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討した.11名の健康な若年成人男性 (21歳~27歳) を対象に,タンパク質,脂質,炭水化物 (PFC) のバランスを同様の比率で設定された植物性ベース食品 (植物性条件) または動物性ベース食品 (動物性条件) 条件をそれぞれ別々の日に実施した.植物性または動物性条件において,食品摂取前および食品摂取120分後に頸動脈-大腿動脈間脈波伝播速度 (cfPWV),血圧および心拍数を測定した.全ての測定終了後,有酸素性運動パフォーマンスとして最大酸素摂取量を測定した.植物性条件では,食後にcfPWVが有意に減少した (p<0.05).しかし,動物性条件におけるcfPWVは,食前と食後で有意差が認められなかった.両条件において,食事前後で血圧および心拍数に有意差は認められなかった.最大酸素摂取量は,植物性条件において動物性条件と比較して有意に高値を示した (P<0.05).本研究の結果から,運動前の植物性ベースの食品摂取は動脈スティフネスを低下させ,最大酸素摂取量を向上させる可能性が示唆された.