2024 年 45 巻 p. 110-116
慢性腎臓病は深刻な健康課題であり,運動やトレーニングがその予防や治療として有効であるかの検証が十分に進んでいない.そこで今回,高脂肪食によって生じるアルブミン尿がトレッドミル運動によって減少するマウスモデルも用いて,腎組織のRNAシーケンスを行い,高脂肪食によって発現が亢進,運動をすることで逆に減少する遺伝子群として炎症反応やストレス応答に関連する遺伝子群を見出した.これにはケモカインをコードするCxcl2も含まれており,その生理作用に着目して,腎臓組織内の好中球浸潤を免疫組織学的な評価を行った.しかし,高脂肪食や運動に伴う細胞浸潤の変化は認めなかった.今後さらに本研究の結果に基づいて,運動に伴う腎臓における受容機構を解明し,慢性腎臓病におけるトレーニング・運動の作用について基礎科学的な示唆を付与することを目指す.