運動イメージはスポーツパフォーマンスを向上させるためのトレーニングとして広く活用されている.運動イメージトレーニングにより運動パフォーマンスが向上する背景には脳や脊髄を含む運動制御機構の適応があるが,その神経生理学的メカニズムの全容は未解明である.そこで本研究では運動イメージが感覚運動統合機能に及ぼす影響を調べることを目的とした.健常成人男性13名を対象に,手指ピンチ動作のイメージ行う条件 (運動イメージ条件) と,イメージをせず安静を維持するする条件 (コントロール条件) で感覚運動統合機能を評価した.感覚運動統合は経頭蓋磁気刺激と末梢神経刺激のペア刺激によって誘発される短潜時求心性抑制 (short-latency afferent inhibition: SAI) によって評価した.その結果,コントロール条件,運動イメージ条件においてSAIの程度に差は認められなかった.これらの結果は,運動イメージはSAIで評価される感覚運動統合機能に対して影響を及ぼさないことを示唆した.