2024 年 45 巻 p. 162-168
膝前十字靭帯 (ACL) 再建術後は,大腿四頭筋に関節因性筋抑制 (AMI) と呼ばれる神経生理学的異常により,長期にわたって筋機能低下が生じやすく,安全なスポーツ復帰を妨げている.このAMIは発生早期の段階で軽減できないと上位中枢に作用し慢性化する可能性が指摘されている.大腿四頭筋のAMIの治療法としてCryotherapyが注目されているが,術後早期における一定期間の介入効果はまだわかっていない.Cryotherapyは,関節を冷却することで一時的に運動効率を上げ,その間に運動療法を行って筋機能改善を図る治療法である.本研究は,ACL再建術後早期の患者に対し,4週にわたりリハビリテーション直前にCryotherapyを実施し,大腿四頭筋筋力に対する効果を検証した.その結果,リハビリテーション直後にアイシングを行ったコントロール群と比較し,Cryotherapy介入群では等尺性膝伸展筋力患健比が高い傾向が認められた.ACL再建術後の大腿四頭筋AMIに対して,Cryotherapyを用いることで入院中からの早期治療アプローチができる可能性が示唆された.