抄録
運動強度によって左室と動脈の循環生理学的挙動が動的に変化するため,大動脈インピーダンスの左室駆出への影響は運動様式や運動習慣により差異が生じると考えられる.本研究では,運動の急性効果として,ハンドグリップおよび自転車運動時の大動脈インピーダンスと左室のエネルギー動態の関係 (課題1),および慢性効果として持久系Athleteにおけるこれら指標の特性 (課題2) を検討した.課題1では,ハンドグリップ運動で拍動性の高いインピーダンスが増加し,心筋酸素需要や機械的エネルギーの増加と関連していた.一方,自転車運動ではインピーダンスは全体的に低下したが,左室の指標との明確な関連はみられなかった.課題2では,Athleteは拍動性の高いインピーダンスが低く,心筋酸素需要の低さと関連していたが,機械的エネルギーには特異的な特徴は認められなかった.以上より,大動脈インピーダンスは運動様式や運動習慣に依存して左室-動脈カップリングに影響を与えることが示唆された.