2026 年 47 巻 p. 24-31
目的 本研究は超音波を用いた皮下脂肪厚および筋の質的評価の妥当性を検証し,さらにそれらと生体電気インピーダンス分析 (Bioelectrical Impedance Analysis:BIA) によるPhase Angle (PhA) との関連性を明らかにすることを目的とした. 方法 対象は当院においてCT検査が施行された21名 (男性16名,女性5名) とした.大腿部,上腕部,腰部において超音波画像による皮下脂肪厚 (US-SFT) およびCT画像による皮下脂肪厚 (CT-SFT) を測定した.大腿部ではエコー輝度 (Echo Intensity:EI) およびCT値を算出し,PhAとの関連性を検討した.統計解析にはピアソンまたはスピアマンの相関係数を用いた. 結果 US-SFTとCT-SFTとの間には非常に強い正の相関が認められ,超音波による皮下脂肪厚測定の妥当性が確認された.また,下肢PhAとUS-SFTおよびCT-SFTとの間には有意な負の相関が認められ,局所的な皮下脂肪厚とPhAの関連が明らかとなった.筋の質的評価では,CT値はPhAと有意な正の相関を示した一方,EIとの関連は限定的であった. 結論 US-SFTはCTに近い精度で皮下脂肪厚を評価可能であり,特にBIAが使用困難な四肢切断者などにおいて有効な代替指標となる可能性が示された.一方で,筋の質的評価においてはCTの優位性が示唆され,目的に応じた評価手法の選択が求められることが明らかとなった.