抄録
「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」(2001)は欧州評議会(CoE)から発表され欧州域内外に様々なインパクトを与えているが,その後も進化し続け「CEFR 補遺版(CEFR-CV)」(2018,2020)が出された.本稿ではCEFR の背景,理念,特長と目指すところを説明し,CEFR を異なった形で受容した3つの事例を紹介した.また以前から耳にするCEFR に対する批判や誤解について述べた上で,CEFR-CV の新しい点を概観し,CoE の取り組みと外国語教育に携わる我々の今後の課題を述べた.