デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
ゲーム開発者の職業倫理の規定要因
藤原 正仁
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2019 年 12 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

近年、デジタルゲームの技術の進展やゲームユーザーの年齢層の拡大により、ゲームの内容や表現が多様化している。本研究では、ゲーム開発者の職業倫理の規定要因を明らかにすることを目的として、11 名のゲーム開 発者に対して半構造化面接調査を行った。その結果、個人要因、組織要因、産業要因という 3 つのカテゴリーが導 出された。個人要因としては、(1)他者との相互作用、(2)社内のガイドライン共有、(3)制約の中での表現追求、(4) 国際展開の経験、(5)子どもとの関わり、(6)社会への眼差しという 6 つのサブカテゴリーが得られた。また、組織 要因としては、ゲーム会社(パブリッシャー)において、知的財産部、法務部、QA(品質保証)部によるゲームの 法や倫理に関するチェックが行われていることが把握された。そして、産業要因としては、プラットフォーマーの倫理規定と CERO 倫理規定に沿った倫理上のマネジメントが行われていることが明らかにされた。

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© 2019 日本デジタルゲーム学会
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