抄録
本研究はMMORPG「大航海時代 Online」を用いた歴史授業を工業高等専門学校の 1、 2年生 291名を対象として実施し、その教育効果を測定した。実験デザインとしてはゲームプレイを行う実験群と通常の教科書授業を行う統制群について、実験期間の前後で質間紙調査を行い、その変化量に差が 見られるかを検討する形式を取った。実験 1ではゲームを自由に遊んだ群において歴史関心度が最も向 上し、ゲームと課題を組み合わせた群では実験後の歴史授業への態度が改善された。実験 2では教師と 生徒、生徒間のコミュニケーション量が多いほど歴史関心度が向上している傾向が見られ、またゲーム+発表群と教科書+発表群の比較において学習志向・歴史学習志向に群間に有意な差が見られたが、それぞれ解釈には注意が必要と思われる。