2009 年 3 巻 1 号 p. 51-57
この論文では、デジタルゲームをひとつの作品としてとらえ、視覚的要素を通してゲームの主題を解釈するためのモデルを構築する。視覚的要素とは、ゲームの画面上に表示されるすべての事物のことであり、作者がゲームという作品においてプレイヤーに自らの意図を伝える重要な手段でもある。ここではそうした制作者とプレイヤーの作品を通じたコミュニケーションを、「作者の意図がどのように プレイヤーに伝達されているか」という視点から記述する。そしてそこから、未来にあるべき芸術とし てのデジタルゲームの、作品解釈の素地となる枠組みを構築することを目指す。