抄録
2000年以降、ゲームの展示はさまざまな博物館、美術館で開催されるようになった。その展示方法はゲームを並べ、(モノによっては) プレイできる 「ゲームの展示」であることが多い。だが、「ゲームの展示」方法が偏ってしまうことによって、「ゲームの展示」の可能性が狭まってしまう危惧がある。大量生産された工業製品であるゲームが、 今後博物館での展示資料として、また、保存資料となるためにも、ゲーム資料の定義付けとともにゲーム展示の重要性を再度確認する必要はあるだろう。そのためにも、「ゲームを (並べる) 展示」から「ゲームで展示」するというゲーム展示の多元化を考える必要があるといえる。本発表では筆者らが手掛けた展覧会を事例として紹介し、「ゲームを展示する」ことから「ゲームで展示する」というゲーム展示の多元化は重要であり、今後「ゲームで展示する」ことの必要性は高まっていくことを考察した。