日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集
Online ISSN : 2758-6480
第11回 年次大会
選択された号の論文の41件中1~41を表示しています
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特選トラック
  • 中井 理貴, 遠藤 雅伸
    原稿種別: 会議論文
    p. 9-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    デジタルゲームは、プレイヤーのスキルレベルに合わせた難易度の課題を設定することで面白さが作られる。課題の難易度がスキルレベルより高い場合、プレイヤーはプレイに対し難しさを感じてゲームから離脱する。しかし、プレイヤ ー主観におけるプレイの難しさは、課題の難易度による難しさのみに留まらないと考えられる。そこで我々は、プレイヤーがゲームプレイで難しいと感じる体験に関する定性・定量調査を行った。その結果、プレイヤー主観では課題の難易度によるものとは異なるプレイの難しさが存在すると分かった。
  • 山口 智哉, 榎本 修也, 梶並 知記
    原稿種別: 会議論文
    p. 13-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿では,スマートフォン向けのノーツ降下型リズムゲームを対象とした,リズムゲーム初心者のためのプレイ技術向上支援手法を提案する. 従来研究では,上達しやすい譜面を自動生成することでプレイ技術向上支援が行われており,プレイ中の技術向上支援はあまり検討されていない. したがって本稿では,リズムゲームプレイ中のプレイヤーのノーツタップ精度や譜面認識力に着目したプレイ技術向上支援を行い,有効性を示す.
  • 音楽ゲーム「Rocksmith」の事例研究
    藤本 徹
    原稿種別: 会議論文
    p. 17-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、音楽ゲーム「Rocksmith」(ロックスミス、Ubisoft) のギター演奏スキル習得を事例として、Rocksmithでどの程度までスキル習得が可能であり、どのような課題があるかを調査した。実際に高度なスキル習得を身につけたプレイヤーの事例を詳細に検討することで、Rocksmithで高度な演奏スキル習得するためには、補完が必要な支援要素を検討した。本研究の知見から、市販ゲームを用いた学習活動を行う上で考慮すべき点として、ゲームに組み込まれた学習支援技術のみならず、他者との関わり方やコミュニティによる支援が得られる環境を提供することの重要性が確認された。
  • 福井 昌則, 黒田 昌克, 野村 新平, 山下 義史, 森山 潤
    原稿種別: 会議論文
    p. 21-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究の目的は, ゲーム開発を専門とする学生の選好性に基づいたゲームジャンル尺度を開発し, その尺度と創造性の関連性について探索的に検討することである. 好きなゲームに取り組むことで創造性を高める方法論の確立するための第一歩として, ゲーム開発を専門とする学生がゲームジャンル19項目それぞれについてどの程度好きであるかについての項目, および創造性を把握する項目を準備し調査を行った. その結果, ゲームジャンルの尺度として「思考専念」,「物語没入」,「競技性・結果重視」「瞬間的判断」,「役割遂行・過程重視」,「リズム体感・正確性要求」の6因子が抽出された. また,「役割遂行・過程重視」,「リズム・正確性要求」は創造性と関連性が見られた. このことから, 創造性と関連性を有するゲームの特徴についての基礎的知見を提供することができた.
  • 「Media Entertainment」へと発展するeスポーツ
    五十嵐 輝, 小山 友介
    原稿種別: 会議論文
    p. 25-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    2019年におけるeスポーツの世界市場規模は約9.58億ドルとなったが、それと比して日本のスポーツ市場規模は約61.2億円と低く、海外市場から後れをとっている。日本のスポーツが、 動画共有プラットフォームでの視聴を軸とする「Media Entertainment」へと発展していく上での示唆とするため、日本のスポーツの現状を視聴の面から分析した。結論としては、若年層において格闘ゲームの視聴が低い一方、海外製FPS・TPSがよく視聴されており、海外との人気タイトルのズレという意味ではその差が縮み、海外と同様の流行eスポーツタイトルを受け入れる土壌が若年層を中心に広がって来ている。
  • アーキビストの情念の脱構築と情動的インタフェースの導入のための試論
    向江 駿佑
    原稿種別: 会議論文
    p. 29-32
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームアーカイヴにかんする議論は、技術面を除けば他分野と十分に接続されていないようにみえる。とくにアーカイブ研究の側からゲームアーカイヴに言及するものはほとんどみられず、結果的にゲームアーカイヴがアーカイブ研究において議論されてきた倫理的な課題をなぞっている一因にもなっている。本稿は、人文学におけるアーカイヴにかんする主要な言説の一つであるデリダの議論を参照し、ゲームアーカイヴが抱える問題と、その脱構築について検討する。前者においてはアーキビストの権力とアーカイヴの起源を求めるその情念が、後者においては情動の地平を導入する指標的なインタフェースが俎上に載せられる。両者は専制的な正史の策定に対し、間主観性によって抗うという関係にある。ボーンデジタルメディアの代表的な例であり、CGMとの関係も深いゲームのアーカイヴを再考することは、今日のデジタルアーカイヴとユーザーの関係を考える際の指標になるだろう。
企画セッション
  • シリアスボードゲームジャム2018,2019 の事例から
    太田 和彦, 井上 明人, 藤枝 侑夏, 大谷 通高
    原稿種別: 会議論文
    p. 35-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本セッションでは、総合地球環境学研究所で2018年と2019年に開催されたシリアスボードゲームジャム (以下、SBGJ) を事例として、①同イベントの運営者、ならびに同イベントでゲームを開発した参加者らが、それぞれの当初の目論見や、どのような想定外の出来事を経験したかを中心に報告し、その後の報告者同士の議論と、オーディエンスとの質疑応答を通じて、②SBGJとそのイベントの周辺の出来事や要因ゲームジャムの「生態系」の多面的な理解に寄与することを目的とする。②のためのインタビューやアンケートは多くなされているが、①の形式をとる試みは類例が少な く、意見の一致よりもむしろ認識の齟齬から多くの発見が期待される。
  • 制作経緯と基本ルールの試行錯誤に関する報告
    大谷 通高, 井上 明人, 三浦 麻乃, 松井 哲也
    原稿種別: 会議論文
    p. 39-42
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    現在、執筆者 (大谷) を含め4名でボードゲームを制作している。そのゲームのタイトルは『マナーな食卓』である。このゲームは、2019年9月に総合地球環境学研究所で開催された「シリアスボードゲームジャム」をきっかけに制作が開始され、2021年の現在においても制作中にある。このゲームは、これまでに二つのバージョンが作成されているが、本稿では、この『マナーな食卓」に関するこれまでの制作経緯について報告する。
口頭発表
セッション1: ゲームプレイ
  • 『グランド・セフト・オート3』プレイアーカイブ・ビデオの内容分析から
    松田 早紀, 井上 明人, 毛利 仁美, 上村 雅之
    原稿種別: 会議論文
    p. 45-48
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームを遊ぶという行為は、一次的現実のそれとは異なり、二次的現実 (マジックサークル) の中での行われる行為であるが、実際には一次的現実のプレイヤーのありようと完全に切り離されているわけではない。本研究では、特にゲームプレイ時の暴力的行動にどのような性差があるかを検出することを目的として、『GTA3』のプレイデータの内容分析を行った。その結果として、ゲーム内キャラクターへの攻撃的行動の頻度が男女間において差がみられることを示した。
  • 宮井 知哉, 山口 浩
    原稿種別: 会議論文
    p. 49-52
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、勝利が決定的に重要であるFPS (一人称視点シューティング) ゲームでのプレーヤーキャラクターの選択とそのキャラクターのジェンダーとの関係を探るものである。代表的な3つのFPSゲームに関し、(1) 女性キャラクターのデザイン、及び (2) それらのゲームを採用したeスポーツ大会の有力選手のキャラクター選択につき分析を行った。これらのゲームにおける女性キャラクターのデザインにはジェンダーバイアスやステレオタイプがみられたが、トップレベルのプロゲーマーたちは、キャラターの性別ではなく、そのゲーム内の能力によってキャラクターを選択していた。この結果をふまえ、ゲームにおけるジェンダー問題に関し若干の考察を行う。
  • 松田 早紀, 井上 明人, 細井 浩一
    原稿種別: 会議論文
    p. 53-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    男女の空間認識能力についての調査をすると、性差が認められることが多い。一方で、性差は訓練によって減少しうる可能性もある。英米ではアクションゲームを一日1時間以上定期的にプレイすることで視覚認知力における性差が減少/排除されることが報告されている。しかし、日本では同目的の実証実験は見うけられない。そのため、今回は日本の被験者を対象に、ゲームプレイにより、その性差が減少するのかを実験群と統制群を設置し心的回転テストを用いて確認していく。結果、ゲームプレイによって心的回転機能に有意な差は見られなかったが、その影響の可能性を示すものとなった。
セッション2: ゲームAI
  • 鈴木 隆志, Boris Ivanov, Novgorodov Tit, 鈴木 真子​
    原稿種別: 会議論文
    p. 57-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    Robotic Process Automation (RPA) は、事務作業の自動化だけにとどまらず、ゲーム開発にも役立つ概念である。RPA的にゲームや組込システムを制御できるように開発したのが「Machine Heads」​<1>​である。本稿で は「Machine Heads」​<1>​を例にあげ、ゲーム開発における「RPA×AI技術」について説明する。そして、AIが進化していくこれからの社会で、「RPA×AI技術」はどのようにゲーム業界に貢献していけるのか、その展望を 報告する。
  • 三宅 陽一郎
    原稿種別: 会議論文
    p. 61-63
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    デジタルゲームにおける人工知能において, MCS-AI動的連携モデルを提案する. 本モデルは, メタAI, キャラクターAI, スパーシャルAI, 3つの自律型AIを動的に連携するモデルである. メタAIはゲーム全体を俯瞰しゲームの流れを作る自律型人工知能であり, キャラクターAIはキャラクターの頭脳としての自律型人工知能, スパーシャルAIは, ナビゲーションAIの発展であり, ゲームにおける空間認識を行いメタAI, キャラクターAIに要求に応じて, 或いは自発的に情報を伝達する自律型人工知能である. 本モデルは, この連携によって, ゲーム開発における様々な案件を複数のAIの機能として蓄積し, 再利用可能とし, 技術を蓄積するフレームワークとして, また技術を運用するシステムとなる. 本発表では, 本モデルの利点を示す.
セッション3: 調査・アーカイブ
  • 既存のアンケート調査を中心に
    川崎 寧生
    原稿種別: 会議論文
    p. 65-68
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究の目的は現在における青少年のゲームプレイ環境の現状を明らかにすることである。本発表は、青少年のゲームプレイ時間・プレイ頻度についての統計資料やマスメディアによる調査記事を主な対象とする。発表では対象とした調査において、該当項目を確認し整理する。その上で各項目における差異や変遷について分析し、青少年のゲームプレイ時間の現状と変容について考察を試みた。
  • 小出 治都子, 尾鼻 崇
    原稿種別: 会議論文
    p. 69-71
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    2000年以降、ゲームの展示はさまざまな博物館、美術館で開催されるようになった。その展示方法はゲームを並べ、(モノによっては) プレイできる 「ゲームの展示」であることが多い。だが、「ゲームの展示」方法が偏ってしまうことによって、「ゲームの展示」の可能性が狭まってしまう危惧がある。大量生産された工業製品であるゲームが、 今後博物館での展示資料として、また、保存資料となるためにも、ゲーム資料の定義付けとともにゲーム展示の重要性を再度確認する必要はあるだろう。そのためにも、「ゲームを (並べる) 展示」から「ゲームで展示」するというゲーム展示の多元化を考える必要があるといえる。本発表では筆者らが手掛けた展覧会を事例として紹介し、「ゲームを展示する」ことから「ゲームで展示する」というゲーム展示の多元化は重要であり、今後「ゲームで展示する」ことの必要性は高まっていくことを考察した。
  • 尾鼻 崇
    原稿種別: 会議論文
    p. 72-74
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    音楽資料のデータベース設計に関しては、松下 (1999) 伊藤 (1997) 烏海 (2010) など先行事例が多くあり、また金井 (2015) では音楽資料の特性を踏まえた有効なメタデータ設計のプロセスが示されている。本研究では、ゲーム音楽資料の保存を考えるための準備として、リニアな (そしてインタラクティブに変化する) 音楽資料であるゲーム音響の特徴を検討することで、ゲーム音響の有用な保存・整理手段としてのデータベース構築を行う上での課題の精査を目的とする。
  • 立命館RCGSコレクションと企業情報データベースを用いた予備的分析
    原 泰史, 福田 一史, 井上 明人, 生稲 史彦, 清水 洋
    原稿種別: 会議論文
    p. 75-78
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーム産業はどのように形成されたのか? また、ゲームハードの変遷やスマートフォンの登場は、ゲーム産業にどのような影響を与えたのか? 本報告では、立命館大学ゲーム研究センターが構築したROGSコレクションおよび、一橋大学が共同研究を行う企業情報データベースを接合することで、日本のゲーム産業の成立時期や主要プレイヤーの変道、市場参入や退出などの動向に関する初期的な解析を行った結果について明らかにする。
セッション4: シリアスゲーム・ゲームフィケーション
  • 宮川 慎也, 穎川 和弘
    原稿種別: 会議論文
    p. 79-82
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    我が国では, 情報通信技術を活用した個別最適化学習の実現を目指している. 急激な学習者の増加により, 今後, 主体的な技術学習の手段と姿勢の整理が必要である. そこで本研究では, ゲーミフィケーションを用いた継続的な セキュリティ学習環境の開発を目的とする. 今回, これまでにオンライン上で試行してきた実施結果を報告する. 加えて, 実際の情報セキュリティに対して擬似的な問題解決の場を検討し, 学習環境の構築を行った. また, 本取り組みを通して, オンラインにおけるセキュリティ学習環境の有用性を評価する. これらのことから, ゲーム性を持たせたオンライン学習環境を用いることで, 初学者向けの学習意欲を向上させる可能性が示唆された.
  • 福山 佑樹, 標葉 靖子, 木村 充, 江間 有沙
    原稿種別: 会議論文
    p. 83-86
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    科学技術の発展に伴って、様々な社会問題が発生するようになった。それに伴い、高等教育においては科学技術の分野を専門としない学生にも科学技術に関する教育の実践が求められるようになった。このような教育をゲーム形式で実践する場合には、学校現場においては簡便に使用できるアナログ形式の教材が用いられることが多かったが、新型コロナウィルス感染症の影響により実施は困難になっている。本研究では、科学技術と社会に関するカードゲーム教材“nocobon”をオンライン化した“nocobon online”の実践を、大学生・大学院生61名を対象に行った。実践の結果、“nocobon online”を用いた実践には科学技術に対する興味関心やリテラシーを高める効果があることが示唆された。
  • シン ジュヒョン, 毛利 仁美, 福田 一史
    原稿種別: 会議論文
    p. 87-90
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、膨大なシリアスゲームが頒布され、様々な活用が進められている。本研究では、ユーザの要求に沿ったシリアスゲームを検索するにあたり、利用者として想定される研究者、開発者、教育関係者に必要とされるゲームに関する識別的要素の分析を試みる。主な対象を授業等で活用される教育目的のボードゲームとし、シリアスゲームの識別と分類に関する先行研究の整理、及び関係者へのインタビューより、情報要求を分析する。
  • 小川 充洋
    原稿種別: 会議論文
    p. 91-94
    発行日: 2021年
    公開日: 2025/02/05
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    デジタルゲームとその周辺の技術や社会ないし人文学的現象は複雑であり、その中でデジタルゲームは進化を続けてきた。近年、デジタルゲームがシリアスゲームやゲームエンジンといった技術によって、あるいはいわゆるゲーム障害ゲーム中毒と言った現象によって、ゲーム以外の領域へ多様な影響を与えている。こうした状況を、デジタルゲームがミーム (模倣子) 生物として進化し、他のミーム生物やゲノム生物たるヒトに影響を与えているものと考え、論考を進めている。今回の発表では、この論考について議論したい。
セッション5: ゲームデザイン・開発
インタラクティブ発表
後付け
feedback
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