抄録
近年、ゲーム業界ではシリアスゲームやゲーミフィケーションといった概念が拡大している。しかし、プレイヤーにとって機能的なゲーム(学習、メンタルヘルス)であれば、魅力や楽しさに欠けることが多い。その逆もまた然り。ゲームが楽しくて魅力的であれば、エンターテインメント以外の可能性が探られていない。著者は日本のトップレベルのゲームの面白さを取り入れながら、同時にユーザーに心のケアをできるゲームの制作にチャレンジしている。第一ステップとして、兄メーゲムの心理的な有効性を検討するパイロット研究を実施した。第1と第2研究において、物語作品の消費によって、精神的健康がどのように影響されるのか、予備インタビュー調査アンケート調査が実施された。第3の研究においては、ナラティブセラピーとナラティブトランスポーテーション理論(感情移入論)の原則に従って制作されたオリジナルビデオゲームを用いて、パイロットCBT を実施した。