抄録
本研究は、「ゲーム」の定義に関する多様な議論がどのように関係し合っているかを分析する。従来、ゲームの定義にはルール、目的、自発性、競争、快楽など様々な要素が挙げられてきたが、それらの相互関係を明確にする試みは少ない。本研究では、主要なゲーム研究の文献を分析し、それぞれの定義要素の共起関係をネットワーク分析により可視化する。結果、ゲームの定義には複数の安定したクラスタが存在し、一つの典型には完全には収束しないことが示唆された。今後、より厳密な手法を導入し、定義の再現性や異なる言語圏・学問分野との比較を進めることで、ゲーム研究の包括的理解を目指す。