抄録
著者は、支援者や学校関係者、養育者を対象に実施してきたゲーム障害に関するワークショップ、学術大会でのシンポジウムを基に、適切なゲーム使用を促進する情報提供素材を開発した。情報提供素材では、認知行動療法のエッセンスを取り入れつつ、具体的な例をちりばめながら、①適切なゲームをする方法、②ゲーム使用の先行事象に対するアプローチ、③ゲームを直接的に減らす方法、④ゲーム以外の時間を増やす方法、を整理した。情報提供素材の開発、及びその普及・啓発は、専門家によるカウンセリングとは異なり、人的コストが最低限で済む予防教育プログラムである。多くの学校現場においてオンラインゲームに関する問題の予防教育が期待されていると考えられる今日において、学校教職員の人的コストを消費することなく予防教育を提供することを目指すことができるという点で、本取組は社会的ニーズに合致した取り組みである。