抄録
本稿では、アニメ作品においてオブジェクトのアニメーション表現が持つ形状の特徴的な変形を、ビデオゲームコンテンツに活用する方法について提案した。分析対象をアニメ作品の特徴的な歪みが多くみられる飛行船のアニメーション表現に限定し、それらの歪みを3 つの要素に分類した。そして、それぞれの要素に対し、ビデオゲームのランタイム上でリアクティブに発生する演出として適切な変形の実装方法を提案した。また、これらの表現効果がユーザーに与える影響について、印象評価の観点から分析を行った。その結果として、アニメらしい誇張表現が行われていることによる空想的な印象の増加を確認した。その反面、ゲーム性への影響を考慮した強度の調整が求められることも示唆された。