抄録
本研究では、レトロゲームにおける世界表現の非現実性判断に影響する要因について、ワークショップ形式で調査を実施した。参加者はゲーム体験、評価、分類および議論を通じて判断軸を構成し、その形成過程を段階的に検討した。その結果、レトロゲームの非現実性判断は単一の評価基準によって即時的に下されるものではなく、没入感、思考量、世界観の理解と受容、達成感といった体験的要素を経て、最終的に自己投影の可否を中心とする評価構造へと再編成されていくプロセスであることが示唆された。さらに、レトロゲームの非現実性の判断は自己投影の不可能性と高い相関を持ち、その不可能性の認知にはゲームの達成度および没入感が影響し、これらの認識はゲームのルール、世界観、それらの受容の容易さによって変化するという段階的な構造を持つ可能性が明らかになった。