抄録
近年のサッカービデオゲームは戦術的に複雑化し初心者がフィールド上の空間的な駆け引きを瞬時に判断することは困難である.そこで本研究では初心者の認知負荷を軽減するためフィールド上の有効な「フリースペース」をリアルタイムに算出し可視化するシステムを提案する.本手法では敵味方の配置やゴールへの距離などの指標に基づきグリッドごとの有効度を評価しプレイヤーが自身の戦術意図に合わせて重みパラメータを調整可能なマーカーとして提示する.20名を対象とした比較実験の結果システム使用時には有効パス数が統計的に有意に増加し主観評価においてもパスコースの発見しやすさや意思決定への自信が大幅に向上することが確認された.得点数などの決定的な成果への直接的な寄与には課題が残るものの本システムが初心者の空間認知を補助し適切なパスワークを学習するためのガイドとして有効であることが示唆された.