抄録
本研究では、近年流行している「謎解きゲーム」と「協同学習」の類似性に注目し、謎解きゲームが社会的・情動的なスキルに持つ効果を検討することを目指した。このためにチームビルディングを目的とした謎解きゲームを開発し、高校生を対象とした実践を行った。実践の結果、「チームへの貢献意識」と「チーム内でのコミュニケーション」に対して1%水準で有意差がみられた。また事後アンケートの「今日のチームメンバーとは普段の生活でも仲良くしたいと思う」などへの回答において高いスコアが見られ、チームビルディングを目的とした謎解きゲームが特別活動の目的である「望ましい人間関係を形成し、集団の一員としてよい生活づくりに参画すること」に効果的であることが示唆された。