抄録
デジタルゲームの進化に伴い、音声を用いて会話するゲームは頻繁にみられるようになってきた。しかしながら、違和感を感じる場面がある。会話文章では自分で設定した名前が表記されるものの、音声では「きみ」等の二人称代名詞で呼ばれることがある。このようなゲームでは、文字として期待される会話と実際に耳に聞こえる会話が一致しないため、違和感を感じ、没入感を損なう結果となる。一方、名前が自由入力できるゲームにおいて、名前を会話中に自然な形で呼ぶことは技術的な困難があることも想像される。本研究では、実際に世の中にリリースされているゲームにおいて、この問題にどのように取り組んでいるのか調べ、どのような対応が行われているのか調べ、どのような対応するのが好ましいであろうか考察を行うことで、今後のゲームにおける主人公の呼称に関する示唆を与えたい。