日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集
Online ISSN : 2758-4801
2021 夏季研究発表大会
選択された号の論文の37件中1~37を表示しています
前付け
口頭発表セッション
シリアスゲーム ( セッション 1 )
  • 齋藤 大輔, 坂本 一憲, 鷲崎 弘宜, 深澤 良影, 内山 宗一, Ramzi Ramzi
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 1-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、プログラミングを通じて育むことができる、条件、反復などの概念や問題解決力、事象分析力などの能力をプログラミング的思考力とし、これら能力の育成のためのデジタルゲームを提案する。プログラミング的思考力を育成することが可能なデジタルゲームは多く提案されている。しかし、既存デジタルゲームの多くは、「前に進む」や「右に曲がる」といったコマンドを用いるパズルゲームであり、育成できる能力は限定的である。この課題を解決するために、プログラムを読むということに焦点を当てたデジタルゲームを開発した。本論では提案したデジタルゲームを紹介するとともに実際に遊んでもらった結果について報告する。
  • 古市 昌一, 粟飯原 萌
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 1-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    シリアスゲームを歴史学習や歴史的思考力の向上に活かす試みが多くなされている.また,歴史上の特定事象を対象としてモデリング&シミュレーション(M&S)技術を歴史研究に活かす試みも行われている.しかし,歴史研究家の多くは史料に基づく文献等調査と机上シミュレーションによる研究スタイルが中心であり,今後シリアスゲームまたはM&Sが普及するためには,目的に応じたフィデリティ(忠実度)のモデル作成と妥当性確認方法を明確にする必要がある.本研究では,TV の番組制作への協力を通して番組制作者及び歴史研究家の方と共同で試作したシリアスゲームの試作経験を紹介するとともに,今後の可能性について述べる.
  • 石田 好一, 藤本 徹
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 1-3
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    コロナ禍により、地域でのまちづくり活動は制約を受けている中、利用可能な情報通信技術を活用して、オンライン環境下での実践方法の模索が求められている。本研究は、「社会的孤立」の解決を目的としたボードゲーム「コミュニティコーピング」を活用したゲーム実践を通して、オンライン環境下における地域の制約を超えた住民の参加が可能なまちづくり学習環境の可能性を考察する。
ゲームプレイ ( セッション 2 )
  • 立場 貴文
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 2-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿の目的は、ビデオゲーム におけるチート行為の不正さについて、どのような場合にそれが不正になるか、またチート行為が不正である場合には、なぜそれが不正であるかについて考察することである。近年とりわけ問題となっているオンラインゲームにおけるチート行為の事例を日本で争われた裁判も参照しつつ検討し、経済的損失や通常業務の妨害などの法理では、かならずしもそうした行為の不正さを取り扱うことができないことを示す(第2 節)。最後に、広くゲームに関して議論してきたスポーツの哲学の立場を手掛かりに、オンラインゲームにおけるチート行為の不正さはどこにあるのかということに関する考察を行う(第3 節)。
  • 齊田 純也, 今給黎 隆
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 2-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    デジタルゲームの進化に伴い、音声を用いて会話するゲームは頻繁にみられるようになってきた。しかしながら、違和感を感じる場面がある。会話文章では自分で設定した名前が表記されるものの、音声では「きみ」等の二人称代名詞で呼ばれることがある。このようなゲームでは、文字として期待される会話と実際に耳に聞こえる会話が一致しないため、違和感を感じ、没入感を損なう結果となる。一方、名前が自由入力できるゲームにおいて、名前を会話中に自然な形で呼ぶことは技術的な困難があることも想像される。本研究では、実際に世の中にリリースされているゲームにおいて、この問題にどのように取り組んでいるのか調べ、どのような対応が行われているのか調べ、どのような対応するのが好ましいであろうか考察を行うことで、今後のゲームにおける主人公の呼称に関する示唆を与えたい。
  • 遠藤 雅伸
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 2-3
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームのルールは、意図したゲーム体験を与えるために設定される。ルールと体験との関係はゲームの本質にあたり、それを明らかにすることがゲームの分析に繋がる。本研究はアナログゲームをプレイすることで、ゲームの分析力を向上させる演習を考案した。この演習は、ゲーム学習の初心者から上級者まで異なる到達目標を持たせ、段階的な学習が可能である。また得られた知見は、自らがゲームを制作する際の、意図に沿ったルール設定に役立つ。
eスポーツ ( セッション 3 )
ゲーミフィケーション ( セッション 4 )
  • 岩崎 允宣, 伊藤 史人, 縄手 雅彦, 奥井 大貴, 市川 誉
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 4-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    重度障害児は身体障害により,発達に重要な役割を果たすおもちゃ遊びが困難である。本稿では,障害が重度であっても影響を受けにくいとされる眼球運動に着目した。主に視線入力装置を用いて,自発的なおもちゃ遊びを可能にするアプリを開発した。本アプリには,重度障害児の因果関係の理解を引き出すことに有効な視覚的インタラクションを導入している。また,重度障害児が見やすい画面に変更する設定を複数用意し,重度障害児の特性に合ったカスタマイズが可能である。重度障害児が視線操作を行った結果を記録するため,視線履歴等により,眼球運動を可視化した。SNSを通じて,アプリを利用する支援学校や療育現場での利用結果や感想をすくいあげて,有効性を高めている。支援の現場では,アプリを重度障害児のおもちゃ遊び以外にVOCA や実空間でゲームを行う手段として活用されていた。本稿では,アプリを利用した取り組みの効果について述べる。
  • 遊戯性の抑制による逸脱行為抑止戦略
    中尾 優奈, 松井 勇起
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 4-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表では、ゲーム研究の他の社会科学領域への応用の一例として、ゲーミフィケーションの手法を用い、典型的な社会問題としての「いじめ」を解消する戦略を分析・考察した。「いじめ」は社会機能的には主観的全能感を求めて行う行為であり、「遊び」と類似する性質を持つ。そのため、「いじめ」の遊戯性を低下させる適切なゲームデザイン構築を行うという対処法の可能性を示した。ここで重要になるのは、対処する社会問題を鳥瞰できる綜合的な分析、デ・マーケティングの要素を持つ、適切に「つまらなく」させるゲーミフィケーションである。
  • 奥井 大貴, 伊藤 史人, 縄手 雅彦, 岩崎 允宣, 市川 誉
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 4-3
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    重度の身体障害を主とした重度障害児への視線入力の活用には,2 つの効果がある。1 点目は,身体機能を代替・増幅することで,より効率の良い活動を支援する効果。2 点目は,当事者の表出を支援し,支援者のモチベーションを向上させ,結果的に当事者の生活環境を向上させる効果である。特に2 点目の効果は,重度の知的障害と身体障害を併せ有す重度・重複障害児にも有効である。本研究は,視線入力を使い始めたばかりの重度障害児や重度の知的障害がある重複障害児が活用できるような視線入力訓練ゲームを制作,配布することで,当事者の視線入力の技術および支援者のモチベーションを向上させることを目的とした。また,現場で活用される過程で支援者から意見をもらい,より効果があがるように改良する取り組みを行っている。ここでは,制作した視線入力訓練ゲームの活用事例をいくつか紹介し,その効果についての考察を述べる。
教育 ( セッション 5 )
ゲームデザイン ( セッション 6 )
  • 土屋 雄大, Xian Dervin Tee Hao, 小川 充洋
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 6-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ヒト―機械系としてデジタルゲームを考えた場合、ヒトからデジタルゲームへの入力は多くの場合、何らかのコントローラによって行われる。コンソール機においてはとくにゲームコントローラの利用が専らである。したがって、デジタルゲームの実験心理学や人間工学的な考察・研究のためにはゲームコントローラの入力情報を記録することは重要と考えられるが、市販のコンソール機用のゲームコントローラの入力を記録する方式の標準化は行われていないようである。今回、われわれは市販のコンソール機用ゲームコントローラのUSB 端子を用いて、コンソール機やコントローラの改造なしにこの入力状態を記録するための方式を開発したので報告する。
  • 三宅 陽一郎
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 6-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    デジタルゲームの人工知能は、メタAI、キャラクターAI、スパーシャルAI の3 者の連携からなるシステムである。3者の連携によって、デジタルゲームは柔軟に自らを変化させながら、ユーザーにユニークな体験を与えることができる。この仕組みによって、デジタルゲーム空間自体が知的なシステムとなる。この連携モデルはMCS-AI 動的連携モデルと呼ばれる。スマートシティは現実の都市空間を知的空間とすることである。スマートシティを構築するためには、MCS-AI 動的連携モデルを応用することが可能である。メタAI は都市全体を管轄し全体を統治し、キャラクターAI は都市空間の中で活動するロボットやドローンに内蔵され、スパーシャルAI は都市空間の空間的特徴の認識を形成する。本稿ではこの理論的仕組みを提案する。
  • 西上 航平, 荒平 高章
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 6-3
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では,デジタル機器の操作が得意ではない高齢者なども想定し,認知機能向上を目的とした簡易ゲームを作成し,そのゲームの認知機能向上の可能性について検討を行った.簡易ゲームを実施することでゲーム群の半数以上がリラックス状態から緊張状態に移行することが示された.一方,コントロール群においても,同様の傾向を示す被験者が半数確認された.このことから,コントロール群における実験手技の改善が必要であると考えられる.アミラーゼ活性値の測定方法,記憶力検証用課題の検討,コントロール群のリラックス時の指示方法などに関してより詳細に検討していく必要がある.
ゲームビューイング ( セッション 7 )
  • 玉宮 義之, 青木 春佳
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 7-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    これまでに、小説などを題材として物事の顛末を明らかにすること(ネタバレ)が作品の面白さに与える影響について検討されてきた。しかし、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの面白さに、ネタバレがどのような影響を与えるのかについては未だ検討されていない。近年はゲーム実況などの配信が人気となっており、ネタバレの影響について検討することの妥当性は高まりつつある。そこで本研究では、ゲームの内容をネタバレすることで面白さが変化するのかを検討した。参加者はネタバレを独立変数とするいくつかの条件に分けられた。そしてゲームで遊んだ後に、そのゲームについての評定を行った。分析の結果、ネタバレの効果は見られず、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの特異性が示唆された。
調査 ( セッション 8 )
  • 学生時代の堀井雄二の活動を支えた社会的文脈の探究
    小林 信重
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 8-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    淡路島から上京した無名の大学生だった堀井雄二の学生時代を調査・分析し、大学漫研の出身者たちの互助集団、彼らにフリーライターという仕事のチャンスを提供したマスメディア(新聞社・出版社・テレビ局)、及び、多数の大学とマスメディアを集中させていた東京という都市が、堀井の活動を支援する重要な役割を果たしたことを明らかにする。
  • 各都道府県の関連条例による規制を中心に
    川﨑 寧生
    原稿種別: 会議論文
    セッションID: 8-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/08
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲームやゲームセンターは社会に根付きながらも、現在も全国的な法規制が長く続き、新たな規制の流れも生まれている。本発表ではゲームに対する法規制のうち、ゲームセンターとそれに対する法規制の関係性とありようの一端を明らかにすることを目的とした。発表では各都道府県の関連条例の変遷を周辺の社会背景から調査した。結果として各県の条例による規制の差異が明らかになったほか、差異がある県では別途厳しい規制を持つ可能性があること、規制とビデオゲームの関係性について、さらに深く調査分析する必要があることが明らかとなった。
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