抄録
近年,MMORPG の利用と集団活動時の問題解決能力との関係性が検討されつつある。先行研究では,能力の測定の際に既存の尺度が用いられることがほとんどであるが,既存尺度の内容は現実世界における状況を想定したものとなっており,仮想世界における能力を正確に測定できているかが不明である。そこで本研究では,質的調査においてMMORPG プレイヤーの語りを基に仮想世界における集団問題解決能力尺度を新たに作成し,さらに量的研究において作成した尺度の信頼性・妥当性の検討を行う。本尺度は,今後MMORPG の学習ツールとしての価値を検討する際に重要となろう。