抄録
本研究は、リメイク作品の発売に関連する注目が、同一フランチャイズの旧作カタログの利用に与える波及効果を、Steam の同時接続プレイヤー数を用いて推定する。『FINAL FANTASY VII REBIRTH』の Steam 版発売(2025 年 1 月23 日)を対象イベントとし、既配信の FINAL FANTASY シリーズ 24 本について、それぞれ非 FF タイトル 25 本から合成統制を構成した。事前期間のギャップに有意なトレンドが認められなかった 11 本では、発売関連期間の平均ギャップは0.180 であり、同時接続プレイヤー数では約19.8%の増加に相当する。ギャップは発売の約3週間前から拡大し、発売後16 週時点でも+0.175 を維持した。波及は原作『FINAL FANTASY VII』に限定されず、物語上の関連を持たない作品にも及んだ。シリーズ固有の値引きについては、対照群が定価であった期間に明確な短期的フロー効果は確認されなかった。ただし、所有者数の増加を介したストック効果は、本データでは分離できない。