抄録
本稿では、非ゲーム専攻の学部生を対象に実施している、ゲームデザインを主軸としたゼミナールの実践について報告する。本ゼミは、構築主義(constructionism)、マルチリテラシーズの教育学(pedagogy of multiliteracies)、および学習経験の質を高める SPACE フレームワークという 3 つの理論的枠組みに基づいて設計されている。学生(n=16)は、既存ゲームの分析、アナログゲームの制作・プレイテスト、そして学習活動としてのゲームのデザインを、実際のプレイヤーを対象に行った。学期の前後で実施した質問紙調査の結果、ゲームリテラシー(知識、批判的リテラシー、デザイン自己効力感)、拡散的好奇心、リサーチ能力、反復的デザイン能力において、いずれも統計的に有意で効果量の大きい向上が確認された。本稿はこれらの量的データと実践内容を報告し、ゲームデザインを通した学びが非専攻学生に対しても効果的な教育手法となりうることを議論する。