抄録
【背景】当院では2017年5月に3Dプリンターを導入した。指定された術式において画像等手術支援加算(実物大臓器立体モデルによるもの)を算定でき、術前シミュレーションとして臓器立体模型を活用している。三尖弁は超音波検査による3D画像取得が難しく、術前に立体構造を把握することは容易ではない。今回、術前シミュレーションとしてCTの画像データから三尖弁の臓器立体模型作成を試みたので詳細を報告する。
【方法】心臓CTを撮像する際、右心房及び右心室内腔の造影時相も併せて撮像した。画像処理端末で3D画像を作成し、3Dプリンターを用いて臓器立体模型を造形した。
【結果】至適造影濃度が得られ、且つ心拍動による影響の無い状態で撮像できた症例では、弁尖及び乳頭筋を含めて右心房右心室内腔を忠実に再現した模型を造形することができた。(造形時間は約30時間)
一方、造影ムラやモーションアーチファクトの影響を受ける場合は造形困難であった。
【考察】CT撮像時の条件が臓器立体模型の完成度を大きく左右するため、撮影条件及び造影条件の設定が極めて重要である。特に拡張期・収縮期の両位相のデータを必要とする場合は心拍数の厳密なコントロールが要求される。また、造形時間が長いため、目的に合わせて造形領域を調整する等の対処が必要な場合もある。
【結語】手術の際の視野及び角度を再現できる臓器立体模型は立体構造把握に有用であると考える。特に他モダリティでは3D画像が得られにくい部位においてその有用性は高いと考える。