道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
十二指腸傍乳頭憩室炎の1例
早坂 秀平田中 一光久保 公利
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2023 年 6 巻 1 号 p. 67-70

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抄録
【症例】81歳、女性【主訴】発熱、腰背部痛【現病歴】発熱および腰背部痛が出現したために夜間急病センターを受診し、抗生剤(LVFX 500 mg/日)が処方された。翌日も症状が改善しないために、当科外来を受診した。【既往歴】C型肝硬変、肝細胞癌(経皮的ラジオ波焼灼療法)、子宮筋腫(子宮全摘術)【生活歴】喫煙歴:なし、飲酒歴:なし、アレルギー:特記事項なし【画像所見】腹部造影CT検査:十二指腸下行脚に傍乳頭憩室を認め、憩室壁の造影効果の増強および周囲の脂肪織濃度の上昇が認められた。また腹腔内に遊離ガスは認めなかった。【経過】十二指腸傍乳頭憩室炎の診断で、絶食、LVFX 500 mg/日の継続内服、PPI静注による治療を開始した。第2病日の血液検査で炎症反応の上昇を認め、抗生剤をTAZ/PIPC 13.5g/日に変更した。発熱と腰背部痛は徐々に改善し、第6病日の腹部造影CT検査では十二指腸憩室周囲の脂肪織濃度上昇所見の改善が認められた。第12病日の上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に傍乳頭憩室を認め、憩室内部の食残貯留と粘膜発赤および潰瘍形成が認められた。第13病日の血液検査で炎症反応の改善を認め、抗生剤治療を終了しVPZ 20mg/日の内服および食事摂取を開始した。経過良好で第17病日に退院された。【結語】十二指腸憩室の多くは無症状で経過するが、稀に憩室炎や穿孔などの合併症を来す。十二指腸傍乳頭憩室炎の1例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。
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