道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
乳癌放射線治療における皮膚照準マーク保護方法の選択制導入が患者経験価値に与える影響
~単施設における前後比較観察研究~
秋山 香織藤井 收小林 聖子
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2026 年 9 巻 1 号 p. 29-30

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抄録

【背景】A病院では乳癌患者に対して皮膚照準マーク(以下、皮膚マーク)を皮膚マーカーで記入し、保護目的でコンバテックエセンタ皮膚被膜剤スプレー®(以下、被膜スプレー)を噴霧していた。2022年の患者経験価値調査(以下PXサーベイ)の結果より、皮膚マークを消さない様に生活を送る事や下着にマーカー色が付着するなど、精神的負担や日常生活への制限が生じている事がわかった。そこでロールフィルムオプサイトジェントルロール®(以下、テープ)を貼付する方法を新たに追加し、患者が保護方法を選択する方法を導入した。

【目的】皮膚マーク保護方法の選択制を導入、PXサーベイを実施して有用性を評価する。

【方法】保護方法を選択した患者にPXサーベイを照射終了後に実施する。皮膚マークに関する設問の回答、総合満足度スコア(PXスコア)およびネットプロモータースコア(NPS)を2022年、2024年調査と比較、統計解析にはマン・ホイットニーU検定を用いた。

【結果】2024年保護方法を選択した患者34名のうち、PXサーベイの回答を得られた27名(回答率は79%)を解析対象にした結果、年齢40~70歳代が23名(85%)、PXスコア9.44、NPS+74.07。皮膚マークに関する設問では、「目的や管理について分かりやすく説明を受けたか」に「はい、とてもそう思う」が100%、「不安や負担を感じたか」に対して「いいえ、全く」が72%であった。PXスコアに対して、マン・ホイットニーU検定の結果はP=0.0319(P<0.05)であり、統計学的に有意差が認められた。

【結論】皮膚照準マーク保護方法の選択制導入は、PXスコアおよびNPSの向上に寄与する可能性が示唆された。PXスコアの統計解析においても有意差が確認され、選択制の導入は患者中心のケアの質向上に有用であると考えられる。特に、目的や管理に関する説明の理解度が向上し、患者の安心感につながったと考えられる。

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