Dental Materials Journal
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モノマー組成の異なる試作コンポジットレジンの口腔内磨耗像
関矢 一仁岡本 明福島 正義岩久 正明
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1993 年 12 巻 2 号 p. 145-158,273

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抄録
本研究の目的は,in vivoにおける試験により,コンポジットレジンの耐磨耗性に及ぼすマトリックスレジンの影響を評価することである.4種類のマトリックスレジンシステム,すなわち,Bis-GMA, D-2.6E, UDMA,UTMAをそれぞれ主成分(70wt%)とし,希釈材としてTEGDMA(30wt%)を用いた光重合型レジンが試作された.なお,試作レジンには,粉砕石英フィラー(81wt%)を含有する従来型フィラーシステムを用いた.
従来より当教室において行ってきた仮着クラウンを応用した観察法により,試作レジンの口腔内磨耗像をSEMにより連続的に観察した.また2ヵ月経過後の試片にっいては,ERAにより磨耗像の分析を行った.
試作レジンのすべてにおいて,マトリックスレジンの磨耗及びフィラーの脱落が観察された.4種の試作レジンの内では,UTMAを主成分とするレジンが最も高い耐磨耗性を示したが,マトリックスレジンが耐磨耗性に及ぼす影響は,フィラーシステムのそれに比べて小さかった.
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© 日本歯科理工学会
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