抄録
比較的大きなII級窩洞に修復された光重合コンポジットレジンの重合の程度を修復物断面のヌープ硬さの測定により評価した.充填法,照射時間,レジンインレーにおける加熱処理の重合性に及ぼす影響を,MFR型のHEおよびハイブリッド型のP50を使用して検討した.
いずれの材料もほぼ伺じ傾向が得られた.すなわち,直接充填法により修復する場合,3回積層充填法が推奨された.レジンインレー使用時における加熱後の最終重合率は,光重合段階のレジンの重合率に影響を受けた.その結果,光重合段階で,2回積層法が推奨された.照射時間に関しては,使用する材料の光透過性や光照射器の強度により影響されることから,メーカーの指示に従い適宜選択すべきと思われる.