Dental Materials Journal
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コンポジットレジンの収縮応力に対する裏層材の効果
池見 宅司根本 君也
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1994 年 13 巻 1 号 p. 1-8,123

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抄録
今日,従来型粉液タイプと,光重合型粉液タイプのグラスアイオノマーセメント,および1ペーストタイプの裏層材が歯科臨床で用いられている.本研究は,それらのセメントが光重合型コンポジットレジンの重合時に生じる収縮応力に与える影響を比較検討する目的で行われた.光重合型粉液タイプで裏層したものは,2回目の照射によって1.5mmの厚さで約1.0MPaから0.5mmの厚さで2.2MPaまでの収縮応力を示し,厚く裏層するほど収縮応力が減少した.1ペーストタイプのものはコンポジットレジンの収縮応力を減少させるのに効果的ではなかった.従来型粉液タイプのものは,厚さによる影響は少なく,本実験条件中で最も収縮応力は小さかったが,これはコンポジットレジンあるいは窩洞からより大きな剥離が生じたものと思われた.
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© 日本歯科理工学会
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