抄録
金属焼付陶材の機械的性質は構成各材料の熱膨張係数,熱仮導率,機械的性質,形状,界面の接着強さにより決まる。とくに,熱膨張係数と弾牲係数は各材料の強さと同様に重要な因子である。
材料の適合性に関する問題を明らかにするために,3層よりなる平板モデルを利用して金属焼付陶材の残留応力と変形を梁の理論を適用して明らかにした。また,合金の弾性係数が異なる2つの場合に対する検討から,貴金属系合金および非貴金属系合金を陶材焼付けに利用したときの残留応力,変形の違いについて調べた。その結果,焼成後の残留応力,変形は非貴金属系合金の方が大きくなることがわかった。したがって,非貴金属系合金では界面反応層が貴金属系合金よりも金属焼付陶材の焼成に際し重要な問題になる。とくに,その熱膨張係数と弾性係数が重要であることがわかった。また,陶材の熱膨張係数が金属の熱膨張係数よりも若干小さいことが適合性の点から好ましいことが明らかにされた。