1985 年 4 巻 1 号 p. 33-39,120
レジンの歯質への接着性を改善するために,succinoxyethyl methacrylate (2SEM)に各種疎水基を導入した新しいsuccinoxy methacrylate (sSPrM, SPPM, Bis-S-GMA)と2SEMの4種を合成し,歯質への接着性と構造との関係を検討した。合成モノマーとBGDMAから調製した各種bonding agentを無処理(最終研摩:サンドペーパー#600)と酸処理(37%リン酸,1分間処理)牛歯エナメルおよびデンチンに薄く塗布し,その上から即重レジンを填入して作製した接着試料について,室温に10分間放置後(Dry:無処理),水中浸漬1日後(Wet:無処理と酸処理)に引張り接着試験を行った。無処理エナメルおよびデンチンへの接着性がDryで最も優れていたのは,それぞれBis-SGMA (50mol%)と2SEM (55∼65mol%)であった。WetではSPPM (40mol%)と2SEM (55∼65mol%)であった。酸処理エナメルおよびデンチンへの接着力が最も優れていたのは,それぞれSPPM (40mol%)とBis-SGMA (15∼25mol%)であった。